【弓の作風について】 鑑定書無しのため真贋について断定的なことは言えませんが、J.MARTIN の刻印が示す通りなのか…。あるいは作風より、私見ですが N.Maire、E.PajeotやN.Malineといった作者の影響を強く感じます。 とくに高名なPECCATTEと同時代、関わった可能性のある人々のようです。 これらは本気の妄想（!）ですが、作風は性能に反映されていますので自信を持ってお譲りします。 鑑定書無しですが性能には間違いありません。もちろん好みや楽器との相性はあると思いますが… 【性能】 重心ヘッドよりです。 ○操作性…細い竿先に比較的大きめのヘッドをたたえ、程よい重みを感じながら重みに導かれて弓運びができ、それを生かして強弱の操作ができます。運弓も安定しやすく、例えば弓先から静かに音楽が始まるフレーズ、アップボウの連続などにも力を発揮します。 運弓のことなら何でもござれという方とは違い私は古いフレンチボウの軽い弓などは運弓により神経を使うことがありますが、この弓はその点でアドバンテージがあるように感じます。ヘッドの重みを感じることで弓先をより手元に近く感じるものです。 ▶▶▶軽い弾き心地をお探しの方にはおすすめしません。 ○音色…Zzz..という質感の部分が現れやすいです。クリスピーな音色寄りになります。パワーあり、繊細な表現、ピアニッシモも出しやすいです。 写真によって若干色味が違って見えますが、室内ですとチョコレートブラウン、焦げ茶（写真7.8枚目に近い）、自然光の下だと赤茶（その他の写真の色）にも見えたりします。 【状態】 経年の傷擦れはありますが割れ・修復痕等演奏に支障をきたす点はなく、毛替えも昨年末にしたばかりであまり弾いていない（10時間未満ほど）のですぐには必要ないです。 糸巻きですが、銀糸でしょうか、購入時より一部剥げていて見栄えはよくないですがオリジナルの可能性があるので変えていません。 スクリュー・フロッグ動作、非常にスムーズです。 試奏動画も参考にご覧いただけると幸いです。 ■全長:74.0㌢（ボタン含） ■重さ:62.9㌘