【製品について】 ドイツPhilipsの7インチ (17cm)アルニコ フルレンジ ユニット WE 671.19を、レトロなラジオ・キャビネットに納めたスピーカー・システム。日本楽器(Yamaha)製造の優れたラジオ・キャビネットが入手できたことから、1950年代初めのモノラル音響を再現する目的で組み上げたシステムです。１本、モノラル用としての出品です。 搭載のユニットは、実際に、1950年代初めのPhilips社のRadiogramに使われていたものです。時代を反映して、ユニットそのものはハイ・インピーダンス・タイプですので、トランスを介して８Ω入力に変換されています。(トランスは購入時についていたもので、Sachsenwerk製です。) 補修及び周波数調整を済ませた、当時のPhilips製のRadiogramと比較試聴しましたが、目的はほぼ達成されたように思います。ただ、現在のHiFi音響に鳴らされた耳には、ソースの録音の状態によって、もう少しHiFi系の音の響きも欲しくなり、少し時代を下げて1950年代半ばのGrundigのMulti Oktav(17.5×12.5cm)に交換してみました。こちらですと、ワルター指揮のコロンビア響といった、当時としてはかなりのHiFi系録音まで、満足して聴くことができました。したがいまして、当初のPhilipsのユニットとともに、Grundigのユニットも付けてお譲りすることとした次第です。 ２つのユニットについては、画像４にありますように、補助バッフルを通常の単孔式ではなく多孔式にすることで、交換の便を図っています。また、Grundigの取り付けを、画像６にありますように、取り付け金具で固定する方式にすることで、Philips用の取り付けボルトをそのまま利用できるようにしてあります。 キャビネットは日本楽器(Yamaha)製造の古いラジオ用キャビネットです。詳細については不明ですが、かなり古いもののようです。そのレトロな佇まいとともに、日本楽器(Yamaha)製造らしく、しっかりとした作りで、良材が使われ、乾燥も程よく進んで響きも良いことなどから、ビンテージのモノラル・スピーカーのキャビネットには適しているように思われます。 音質的には、Philipsですと、古き良き時代の古典的な音響を、Grundigですと、反応速度が高く、響きの良いジャーマン・ビンテージの音響を、それぞれ聴かせてくれます。Philipsらしい、軽やかで華のある音楽も、また、Grundigらしい、軽い振動系とピーンと張ったコーン紙がもたらす、透明度が高く瑞々しい音楽も健在です。なお、能率的には、Grundigはかなり高く、Philipsは少し低くなっています。 キャビネットのおよその大きさは、横幅29cm、高さ23cm、奥行き18cmになります。 【商品の状態について】 〇 前オーナーさんの手で一通りレストアされていたようで、外観上は、あまり大きな問題はないと思います。ただ、あくまでもビンテージ品のアンティーク仕上げです。古めかしさは拭えません。ご理解のある方に入札をお願いいたします。(美品をお探しの方は入札をお控えください。) 〇 背面のボードは簡易的なARUとして機能しています。取り付けや取り外しはプッシュ式のフックを使ったワンタッチ留めになっています。 〇 ターミナルは、バナナ・プラグも使える新しいタイプのものを当方で取り付けてあります。 〈スピーカー・ユニットについて〉 ○ いずれのユニットも、さすがに半世紀以上も前の製品で、フレームの塗装の剥がれや錆など経年変化による劣化はかなり見られます。ただ、コーン紙やエッジなど、音質に関わる肝心の振動系には特にこれといった傷みは見られません。 〇 エッジはフィックスド・エッジですが、特有の細かなヒビ割れは見られません。 △ Grundigのユニットのスポンジ製のセンター・キャップは、例によって加水分解で無くなっていました。埃り除けのため新しいスポンジをはめ込んでありますが、ピンセット等で簡単に取り出せますので、気になるようでしたら取り除いてください。 〇 Grundigのユニットの取り付け用の金具については、当方で使用していたものを同梱しておきます。(取り付け方法については、画像６をご参照ください。) ○ 公称インピーダンスは、Philipsが８Ω、Grundigが３Ω (４Ωの扱いでよいと思います。) になっています。 【その他】 発送はヤマト宅急便、1ヶ口になります。送料着払いでお願いします。 ジャンク品としての出品ではありませんので、輸送中の何らかのトラブルで、製品としての機能に問題があったり、状態が説明と著しく異なったりした場合、2週間以内に、その旨ご連絡いただければ、返品は受け付けます。 なお、同時に、趣味の音響製品を何点か出品しておりますので、よろしかったら、そちらもご覧ください。